1.はじめに
オゾンを利用した、プール水(循環ろ過)の浄化装置が多くの施設で
導入されるようになりました。
従来から行なわれている、塩素剤中心の処理方法から生じる遊泳者の
健康障害や建物への、被害が問題となりそれに替わる処理方法として
より優れた効果が認められ着目されています。
オゾンが水処理に実用化された歴史は古く1906年フランスのニースで
飲用にする河川水の殺菌を目的として使われたのが始まりとされています。
その後、ヨーロッパを中心として、アメリカ、カナダにおいて浄水場での利用が
広がりました。
一方、日本国内では1980年代からその利用が実験的なかたちで行われる様に
なりました。しかしその後は急激な技術の進歩とともに普及が進み今日に至って
います。
オゾンの持つ酸化力は塩素の数倍といわれ その応用も水処理に限らず殺菌
脱臭として医療、食品工業、福祉分野等の多岐にわたっています。
ここで ご案内するオゾン水処理装置は主にプール等の循環ろ過ラインに組込んで
水質浄化を行う、オゾン処理システムとしてご利用いただく専用の装置です。
ご参考
阪神水道企業団のページ
http://www.hansui.or.jp
2.オゾンについて
・特有の臭気を有する
・酸素の同素体(酸素以外は原料となりえない)
・通常は無色の気体、多量に存在すると薄い青色
・強い酸化力がある(化学物質ではフッ素に次ぐ強さ)
・反応消費あるいは事故分解で酸素に戻る
| 分子記号 | O3 |
| 分子 | 48 |
| 沸点 | -111.9℃ |
| 密度 | 2.14kg/m³ |
O
O = O / \
O O
酸素分子 オゾン分子
オゾン濃度と半減期
3.システム フロー
・オゾンの原料となる酸素は空気より取り出します。
・空気を装置内蔵の空気圧力機で昇圧し、除湿 除塵します。
・PSA方式酸素発生器により空気中の酸素のみを取り出し濃縮します。
・濃縮された酸素を高圧放電部に送り電圧を印加しオゾンガス化します。
↓
・プール循環水の内、ろ過通過後の5〜10%通水量を分岐しポンプで吸引します。
・ポンプ内にオゾンを送込み、水中に拡散させオゾン水(気液混合)とします。
・気液混合水を分離塔(反応塔)に送り水中からオゾンガスを分離させます。
・分離されたオゾンガスを排オゾン分解剤に接触させ酸素に戻します。
・オゾン水をプール水循環ラインのヘアーキャッチャー入口に戻します。
↓
・循環ラインに入ったオゾン水は水中の有機汚濁物質や種々の細菌と反応し
酸化分解作用を与えます。
・水中でヌメリ状態を起こす有機成分が酸化分解されるために、ろ過材表層が
つまり通水不良となることを防ぐため、通水量を確保できます。
・水中の溶解物がオゾンによる酸化で脱色作用や折出反応を起こし、ろ過器で
補足され易くなります。(濁質除去)
4.オゾンとNOX(窒素酸化物)の関係
基本的には酸素を含むものは オゾンの原料となり得ますが内容により様々な
問題が生じます。特にNOX(窒素酸化物)の問題はオゾンにかかわる者にとり、
いかにして生成を防ぐべきか最大の関心事でした。
(NOXは生成されると分解しません。地球上で徐々に蓄積され温暖化の元凶となります)
(1)酸素原料 : OZW(OZP)型水処理装置に搭載しているオゾナイザーは酸素発生量を
内蔵し酸素を直接原料とするためにNOXの生成を防止しています。
(2)空気原料 : 酸素を約20%含む空気はオゾンの原料になりますが成分の約80%を
占める窒素がオゾナイザーの中で酸化されNOXとなります。NOXは水と
反応して硝酸を生成することから、装置のみならず設備系統そのものへの
重大な損傷を与える結果になります。
(3)純水原料 : 純水中に一対の電極を入れ直流電圧を通すと、陽極側にオゾンが、
陰極側に水素が発生します。高濃度でより効率の高いクリーンな
オゾンが得られます。NOXの発生はありません。
管理面に於いて純水の確保及び発生する水素処理の対応が重要に
なります。特に水素は爆発性のある大変、危険なガスでありプール
施設で管理するには困難な性質を持っています。
5.プール水の浄化
(1)脱色効果 : プ−ルの水質に求められているのは 第一に透明性です。
水中の有機物から溶出した色素の成分を強力な酸化力で
分解脱色し、透明性を確保します。
(2)補給水の低減 : 従来、プール水中の有機物が増えると多量な水を入れ替える
対応が取られて来ました。しかしオゾン反応により有機物が
分解されて 過酸化マンガン酸カリ消費量が低減されると
水質維持のためにでは無く 補給分のみの水量で間に合うこと
になり大幅な省エネルギー、省コスト化が期待できます。
(3)残留塩素の軽減 : 国内におけるプール水は殺菌として塩素を添加することが義務づけ
られています。基準として残留塩素0.4mg/L以上とされています。
しがたってオゾンの単独処理は、国内で許可がされませn。実際の
管理現場では殺菌を確実にするため1.0ppm前後の過剰な塩素を
添加する例が見られます。
塩素は水中のアンモニアと結合するとクロラミンと呼ばれる有害な物質に
変化し、目や皮膚への強い刺激となって健康障害を起こす逆作用が生じ
ます。オゾン導入により殺菌や有機物の除去が行われることで、過剰な
塩素の添加が不要になり、0.4〜0.5ppmの低レベルで運用が出来る
ようになります。
(4)細菌類の殺菌 : 遊泳者がプール内に持ち込む大腸菌、一般菌、各種ウィルスに対して
オゾンの強力な酸化力は非常に効果的です。
次の表に示す通り短い時間でも殺菌が行われます。
【 オゾン水による微生物の不活性化効果 】
| 菌の種類 | 水中オゾン 濃度(ppm) |
微生物濃度 (個/ml) |
接触時間 (秒) |
死滅率 (%) |
| 大腸菌 | 0.96 | 10 cells | 5 | 100 |
| ブドウ球菌 | 1.08 | 10 cells | 5 | 100 |
| 緑膿菌 | 1.01 | 10 cells | 5 | 100 |
| インフルエンザ ウィルス |
0.96 | 10 EID | 5 | 100 |
『オゾン利用の新技術』より
6.25mプールのオゾン必要量については ろ過器のタイプにより分類しています。
| ろ過器タイプ | 参考オゾン量 |
| 珪藻土ろ過器 | 15g/H |
| 砂ろ過器 | 20g/H |
温水プール水温 29℃
・ケイソウ土ろ過の場合は、ろ過層厚みが薄いのでオゾン量が多いと、ろ過層を
通過してプール本体に行くので、その途中で入る次亜塩素が消費されてます。
しがたって ろ過器から出た地点でオゾン濃度が検出されないよう調整する
必要があります。
・砂ろ過の場合はろ過層が厚いのでオゾン水が通過中に、ろ過砂との接触により
オゾンが分解消費されます。したがってオゾンを充分に反応させることが出来ます。
・フィルターろ過についても、砂ろ過と同様に考えてよいと思います。
※プール水量(V)の参考 25m,6コース,1.2m深さとして計算
Vm3 = 25m×(6コース×2m+1m)×1.2m
= 25×13×1.2
= 390
※ろ過器処理水量(Q) 8ターン/日として計算
Qm3/H = Vm3×8ターン÷24時間
= 390×8÷24
= 130
Qの一部(5〜10%)を分岐させてオゾン反応させることになります。
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